ドローン用語辞典

ドローン基礎用語

ドローン

ドローンの語源は、英語ではdrone(雄ハチ)の意味です。

ドローンは複数のプロペラを持ち、高速回転する羽の音に似ていることからドローンとよばれています。

また遠隔操作できる無人航空機(UAV)に分類され、マルチコプターともよばれます。

 

無人航空機(UAV)

Unmanned Aerial VehicleまたはUnmanned Air Vehicleの略。

無人航空機を英語で表した略のことです。

国土交通省の定義
人が乗ることができない飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるもの

この定義は、マルチコプターや固定翼などを含むドローンや、ラジコン機や農薬散布で利用されているヘリコプターも該当する

 

マルチコプター

複数の回転翼(プロペラ)を備える無人航空機の(UVA)の種類のこと。

マルチコプターの特徴

  • マルチコプターは垂直に離着陸できるため、滑走路が不要。
  • 回転翼の数が多いため、比較的安定して飛行が可能
  • 独立した回転翼の制御により、急な方向転換やホバリングが可能。

関連記事 ドローンプロペラの向きの仕組みと交換時期について

 

トライコプター

3つのローター(回転翼機)を持つマルチコプターのことです。

クアッドコプターは4つ、ヘキサコプターは6つ、オクトコプターは8つのローターを持っています。

 

FPV

First person Viewの略。

ドローンが積載しているカメラを頭に装着することで、ドローンに乗っているような気分や感覚で操縦が行えるドローンのことです。

 

ペイロード

ペイロードとは、輸送される荷物の可搬量(最大積載量)のことです。

ドローンでは、ドローンが物を運ぶための積載量のことを指し、カメラやジンバルを搭載する場合は、ペイロードの範囲内に収めることが大切になります。

 

モード

ドローンを操作するプロポのモードのことで、モードは1~4までの4種類あり、日本のラジコンヘリなどで使用されるモード1と、海外で使用されるモード2が主流になっています。

 

リポバッテリー

ドローンに使用されているリチウムポリマーバッテリーの略で、以下の特徴がある。

  • 自己放電が少ない
  • メモリー効果がない
  • 軽量・高出力

小型化が重要なドローンにはとても便利だが、取り扱いに注意しなければ危険ということがとても大切。

ドローンリポバッテリーは保管方法が重要です。

  • リポバッテリーの充電は正しく行い、充電中のチェック(発熱や異臭)を行う
  • 満充電での保管は避け、適切なバッテリー残量(60%)での保管を心がける
  • 外部からの衝撃に気を付ける
  • リポバッテリーに異変(キズや状態の変化)が起きたら、適切な処分を行う
  • 温度変化がないように(車内に長時間放置など)保管場所に注意する

 

Ah(アンペアアワー)

バッテリー容量をあらわす単位で電流(A)×時間(h)

使い始めから使い終えるまでにバッテリーから取り出し、放電した電気量のこと

例)12V 30Ahのバッテリーの場合

  • 1Aの電流なら30時間取り出せる容量
  • 10Aの電流なら3時間取り出せる容量
  • 30Aの電流なら1時間取り出せる容量

ジンバル

ジンバルは、ドローンに搭載しているカメラ映像のブレを防ぐための衝撃を吸収する役割をしています。ドローンは、基本的に3軸のジンバルで固定されています。

このジンバルによって、ドローンの空撮映像はブレのない滑らかになります。スペックが高い機種ほど高性能なジンバルになっています。

 

ドローンに関わる規則について

航空法

令和4年6月20日より、航空法では総重量100g以上の無人航空機(ドローン)の規制対象となります。

ドローンは利活用がどんどん増え、幅広い活躍が期待されています。

しかし、上空でドローンを飛行させるためには墜落等の危険が伴うため、航空法によって規制が設けられていますので、きちんと理解しておくことが必要です。

道路交通法76条

道路交通法とは、道路における危険や障害を防止するとともに、安全で円滑に交通を図ることを目的とした道路交通のルールです。

ドローンを道路上で飛行させるときは道路交通法76条が適用されます。

  • 以下のドローン行為は”道路交通法違反”です
    ドローンを飛行させるまでの道路でのセッティングにかかる必要な時間は、道路を占領する行為となります。
  • ドローンを道路で離発着させるための安全スペースとして、半径5m以上必要とするため 道路を占領する行為となります。
  • 車両制限条例で車両の高さは、4.1mまでと定められています。地面から4.1mまでは車が通る可能性があり、道路上を4.1m以下で飛行する場合は交通障害になる可能性があります。

参考記事ドローン飛行には道路交通法の76条に注意!

電波法

電波とは、電界と磁界が振動しながら空間を伝播するものです。

電波は目に見ることはできませんが、電波にも電波法というルールがあります。

周波数帯は3kHz~3THz、波長は0.1mm~100㎞であり、以下の特徴をもっています。
  • 電気が通りにくいもの(木やガラスなど)への電波は通り抜ける
  • 電気を通しやすいもの(金属など)への電波は反射する
  • 障害物(山や建物など)への電波は曲がる

ドローンは、プロポ(ドローン送受信機)が発している電波を使って操縦をしています。

参考記事ドローンに必要な知識【電波法】の定義と無線免許

都道府県別各市町村条例

都道府県条例とは都道府県ごとに各市町村の条例のことです。

各地域によってドローン飛行のルールが定められています。

参考記事ドローン規制【都道府県条例と市町村条例】

小型無人機等飛行禁止法

小型無人機等飛行禁止法は、国の重要施設などへのテロや危険行為を禁止とする法律です。

小型無人等飛行禁止法は2016年4月7日に施行され、2019年5月17日に改正案が公布されました。

参考記事【小型無人機等飛行禁止法】ドローンと法律

民法207条

ドローンの離発着や飛行させる予定の周辺に民家や私道などがあった場合には、民法に注意しなければいけません。

民法207条では、所有地でドローンを飛行させる場合には損害賠償請求をされる可能性があるので、事前にきちんと承諾をいただくことが大切です。

参考記事ドローン規則【民法207条】土地所有権を理解する!

技術基準適合認定証(技適マーク)

技術基準適合証明マーク(技適マーク)とは、電波法令で定めている技術基準に適合している無線機であることを証明するマーク

周波数帯

電波を使用するときに割り当てられる電波の帯域にこと。

日本国内の殆んどのドローンは、2.4GHzの周波数帯の電波を使用している

電波干渉

ドローンが送受信する電波が高層ビルなどや違法な電波などから干渉を受けて操縦に不具合が起きる

以下のような場合、ドローンが電波干渉を起こす可能性があります。

  • ドローンなどの無線通信を行う無線局や高圧送電線からの放電は、電波同士が干渉し電波の速度が低下します。
  • 高層ビルなどの建物と建物の間では電波は遮蔽されてしまいます。
  • ドローンは機種ごとに電波が届くMAX距離がありますので、事前に飛行可能距離を理解しておく必要があります。

参考記事ドローンが電波干渉!対処法を解説します!

アマチュア無線

周波数5.8GHz帯のFPVドローンを利用するために必要な無線免許

 

Wi-fi

無線LANのうち、米国電気電子学会(IEEE)が定めるIEEE802.11の規格に準拠した無線通信規格。

Wi-Fiの名称は、キャッチーな名前を求めてHi-Fi(ハイファイ)の韻を踏んで命名された。「Wireless Fidelity の略である」という由来解釈は、「意味を持たないのはまずい」との理由から命名ののちに後付けされたものである

Wikipedia

ドローン飛行許可申請

航空法飛行許可・承認申請

飛行申請するためにはドローンパイロットの条件(飛行経歴10時間以上)が必要です。

 

道路使用許可申請

ドローンを道路上以外で飛行させる場合には道路使用許可は必要ありませんが、道路上を利用してドローンを飛行させる場合は道路使用許可を受けなければなりません。

道路使用許可を申請することによりドローンを道路上(高速道路等の主要幹線を除く)で利用することは可能となります。

参考記事ドローン飛行時の道路使用許可申請手続きの方法を解説!

架空送電線周辺飛行の事前協議

鉄塔送電線の近くの空域で安全にドローン飛行をさせるためには、事前に電線路近接作業打合せが必要となります。

事前にドローンパイロットが行った現場調査情報と設備管理者との打合せからの設備情報の両者から得た内容が大切です。

参考記事架空送電線周辺のドローン飛行は【近接作業打合せ】が必要です!

鉄道周辺飛行の許可申請

航空法(ドローン機体100g以上)では、衝突や接触などの危険性があるため第三者(人や物)からの距離は30m離すように定められています。

鉄道付近でドローン飛行させる許可申請手順

  1. ドローンを飛行させる場所から一番近い駅へ伺い、申請先を教えていただきましょう。
  2. 申請先へ連絡し、後日指定された事務所へ行きます。

参考記事ドローン規制【鉄道周辺で飛行時】許可申請方法について解説!

 

ドローン本体

ブレード

ドローンのプロペラのこと。

ブレードに1枚でも異常があると正常にドローンが飛行できなくなりますので、必ず交換するようにしましょう。

ブレードの形状は時計回りと半時計まわりの2種類があり、交換する際には、取り付け方向を間違いないようにしないとドローンが飛ぶことができません。

 

ローター

ブレードの中心の回転させるモーターのこと。ローターには複数のプロペラがついており、プロペラは墜落する原因になりますので日頃から目視点検するように心がけましょう。

参考記事ドローン墜落に注意!ドローンプロペラの安全性を解説します

ジンバル

ドローンで綺麗に映像を撮るには、飛行中のブレや揺れは大敵です。

ジンバルとは、カメラを常に安定させる装置になっています。

ドローンとカメラを直接つなげてしまうと、ドローンが傾いたときや振動がカメラに影響してしまい、撮影に影響がしてしまいます。

ジンバルで設置することにより、ドローンが傾いてもカメラの傾斜を水平を維持し、振動も吸収しますので、空撮時はブレなく撮ることができます。

ジンバルには電子式とマグネットダンパー式があります。

スキッド

ドローンの足のパーツ。

ドローンの着陸時に重心のズレを確認するためのもの。

 

 ドローンセンサー

ドローンが上空を安定飛行することができるのは、フライトコントローラー(FC)が制御を行う各種センサーの役割とローターの高速回転(回転翼)のおかげです。

フライトコントローラー(FC)とは、ドローン本体の指令や処理を行う脳の役割になります。

ドローン本体のフライトコントローラー(FC)は、各種センサーから得た信号を処理しプロポ(送信機)と情報を送受信しています。

参考記事【ドローン基礎講座】ドローンセンサーの種類とその役割について

超音波センサー

超音波(20kHz)を利用し、音波が障害物に反射し戻ってくるまでの時間を計測し、障害物までの距離を算出するセンサー

ドローンが障害物へ衝突を回避するための役割

磁器方位センサー(コンパス)

ドローンがどの方位(東西南北)を向いているかを検出するセンサー

コンパスともいわれ、飛行させる場所次第で磁気の影響を受けやすいため、ドローンの飛行場所を変更するときには、コンパスキャリブレーションが必要

参考記事コンパスキャリブレーションとは?エラーが出た時の確認事項を解説

ジャイロセンサー

ジャイロセンサーは、角速度センサーと加速度センサーのことをいい、ドローンの姿勢制御の重要な役割を担っている

角速度(軸方向の回転)センサー

ドローンの傾きの角度を計算するセンサーで、機体を安定させるための役割

ドローンの傾きに変化があった場合は、正しい傾き(姿勢)になるように各モーターの回転速度を調整している

加速度センサー

ドローンが一定の時間にどれだけ移動したか距離を検出するセンサー

振動や傾きは検知可能だが、移動速度を計測は不可能

ドローンの前後・左右・上下方向に働く重力加速度を感知し、傾きを制御し安定飛行につなげる役割

気圧センサー

ドローンの高度や飛行速度を計測するセンサー

ドローンの電源投入時に、地上の気圧データを検出し、上空との気圧の変化で正確な高度を測定している

ESC

モーターへ電気を流す時間を調整し、ローターへ回転速度を調整する電子回路。

略はElectronic Speed Controllerです。

GPS

宇宙に打ち上げられているGPS衛星より送られてくる信号をドローンのプロポが受信し、現在のドローンの位置を正確に把握することができるシステムのこと。

参考記事【ドローン基礎講座】GPS機能付きドローンを理解する

GLONASS

ドローンの特徴である自立飛行は、宇宙にあるGNSS衛星から地球上で受信し、地球上での現在位置の測位を正確に行うことにより成立しています。またドローンの上位機種になると、GPSだけでなくGLONASS(グロナス)を併用させることによってGNSS衛星からの受信精度をさらに向上させることができます。

 

コンパスキャリブレーション

GPSが搭載されているドローンでは、フライト毎にコンパスキャリブレーションを必ず行う必要があります。

ドローンのコンパスキャリブレーションでは、ドローンに「北」の方向を認識させる作業ですので、GPS信号が良好な環境で行いましょう。

参考記事コンパスキャリブレーションとは?エラーが出た時の確認事項を解説

トリム調整

機体が認識している水平や稼働感覚のズレなどを、微調整する機能

障害物検知センサー

ドローンが衝突防止のためのセンサーが障害物検知センサー

障害物検知センサーでは、ドローンが飛行する前方に障害物が(人や物など)あると感知して衝突を回避できる

機体によっては、その場で静止か回避するかを判断することもできる

 

 ドローン操縦

プロポ

正式名称は、プロポーショナルシステムといいます。ドローンを操作するための送信機アプリタイプとコントローラタイプの2種類になっています。

 

スロットル

ドローンを上昇・下降させる操作

エルロン

ドローンを左右に動かず操作

エレベーター

ドローンを前進・後進させる操作

ラダー(回転)

ドローンがホバリング状態で回転する操作

カメラチルト

ドローンに付属しているカメラを動かす操作

チルトダウン:カメラの角度を下げること

チルトアップ:カメラの角度を上げること

ノーコン

ドローンとプロポの接続が切れ、操縦不能になること

ノーコントロールというが、通称ノーコンとよんでいる

ロスト

ドローンを飛行中に見失うこと

ホバリング

通常ホバリングでは、GPS機能により、機体の位置を認識して安定飛行を行います。

GPS受信は環境によって不安定な状態にもなります。

不安定なGPS受信状態では、ドローンは安定した飛行をすることができませんので、墜落や衝突のリスクを避けることができません。

参考記事【ドローン初心者向け練習法】ホバリングのやり方のコツ教えます!

リターントゥーホーム(RTH)

リターントゥーホーム(RTH)とは、プロポにあるボタンひとつで離着陸ポイントまで自動で帰ってくる機能のことです。

ドローンが飛行の途中、プロポのボタンでリターントゥーホーム(RTH)させる以外にも、飛行状況に応じて自動で帰ってくる機能のことになります。

ただし、ドローンがGPSきちんと受信していなければ、正しい位置を把握できないためリターントゥホームは機能しません。

参考記事リターントゥホーム(RTH)とは?設定きちんとしてますか?

フリップ

ドローンを宙返りさせる機能のこと

オリエンタルロック

方位固定モード

 

ドローンアクセサリー

モニターフード

モニターフードとは、モニターへの写り込みや反射などを防ぐために立てている「ついたて」になります。

すぐに太陽光の反射などが解消できればいいのですが、モニターが見づらくなったことが原因でドローンを見失ったり誤操作したりすることだって考えられます。

ドローン操作中にモニター画面が見えないのはとても危険です。

モニターフードを使用することでドローンのモニターを見やすくすることができます。

モニターフードはトラブルを防ぐという重要な役割をもっています。

 

micro SDカード

ドローンの4K撮影に推奨できるmicro SDは、スピード転送速度30MB/S以上のカードになります。

micro SDカードは、予備を2~3枚準備していてください。

次の撮影時もしもドローンが墜落した場合、同じカードに撮影した場合に、前の分のデータを失う可能性が高いからです。

順に撮影をしている間では、撮影が終わったデータをノートパソコンに取り込んでおくのが安心で効率的です。

micro SDカードは、接触不良になりやすいので取り扱いに注意しましょう。