ドローン測量では空撮画像を解析して3Dデータを作成しますが、測量作業などの方法を定めたものがUAV公共測量マニュアル(案)です。
このUAV公共測量マニュアル(案)では、3次元測量データの要求精度をクリアするための基準を定めており、その基準を満たすためにはドローン自動飛行ルートの設定がとても重要です。
ドローン測量では自動操縦アプリにて飛行計画を行いますが、撮影の特徴としては前後左右の写真が重なるラップ率を設定します。
上空では、決められた飛行ルートでラップ撮影を行い、決められた道筋を往復することで、決められたオーバーラップ率とサイドラップ率を保つことができます。
ドローンでの自動飛行撮影中に観察しておくことが大切です。
ドローン撮影当日には
- 事前に計画した飛行ルートの確認を再度行います。
- ジオフェンス機能の設定をしておく。指定した範囲外にドローンが飛行しないようにしておくことで、電波障害などドローンが予期せぬエラーで暴走飛行を回避することが可能です。
- 撮影飛行の前のデモ飛行として、高度を高めに飛ばしながら問題点がないことを確認しておきましょう。
UAV測量公共マニュアル(案)にて標準とする要求精度
ドローン測量では、のちに写真解析にて作成する3次元データでの精度が重要になります。
UAV公共測量マニュアル(案)におけるドローン精度は、平面位置・高さともに最大誤差0.05m(5㎝)以内にする基準が指針として記されています。
また、ドローンの測量精度を決める要素には、ドローンに搭載しているカメラ性能があります。
しっかりと高精度を保ちたいときは、ハイスペック機種を使えば安定して精度を満たすことも可能です。
第49条
作成する三次元点群の位置精度は、0.05m以内、0.10m以内又は0.20m以内のいず れかを標準とする。なおここでいう位置精度とは、作業範囲において観測した検証点の位置 座標と、この地点に相当する三次元点群が示す位置座標のX、Y、Zそれぞれの成分の較差の 許容範囲をいう。
要求精度をクリアするためのドローン飛行計画
要求精度をクリアするための 精度の高いデータ解析を行うためには、ドローン自動飛行の設定が重要です。
ドローン測量では自動操縦撮影なのは、事前に設定しておいた飛行計画ルートを正確に飛行することが可能だからです。
飛行ルート作成設定
- 要求精度:最大5.0㎝以内
- ドローンの撮影高度:50m~70m
- カメラ角度(傾き):マイナス90度(真下)
- 写真ラップ率(連続撮影で写真を重ねる割合):縦(90%)横(70%)
- 解析ソフト=Pix4Dmatic
- 飛行ルート
ugcs自動飛行アプリで飛行設定を行います。
- 飛行させる機体の選択(DJIのドローンはほとんど選べます)
- 飛行範囲と撮影コースの設定(カメラの撮影角度も変更できます)
- ラップ率の設定
- 飛行高度の設定
- 飛行速度の設定
ドローン撮影時の注意点
ラップ撮影とは
UAVドローン測量マニュアル(案):撮影する写真のイメージ(撮影後に実際の写真重複度を確認できる場合)
ドローンで撮る写真の基準は、前後左右の写真が重なるラップのように撮影する必要があります。
ラップ率の基準は、UAVドローン測量マニュアル(案)では、縦方向80%以上、横方向60%以上と定められており、ドローン撮影では飛行アプリを利用したラップ率の自動計算からドローンを飛行させることになります。
ドローン撮影では上空の決められた自動飛行のルートで、ラップ撮影を行い、決められた道筋を往復することで、決められたオーバーラップ率とサイドラップ率を保つことができます。
ドローン自動飛行撮影時に注意すること
- 航空法や撮影地の飛行ルールをはじめに確認しましょう。
- 撮影環境に送電線・煙突・樹木などの障害物があり、衝突してしまう飛行コースになっていないか、また高度設定にしていないかを確実に確認します。
- 森林などの標高差がある飛行計画では、高低差に合わせて高度を変化させる地形追従モードを使用します。地
- 追従モードでは、各地点での標高の確認を行い、飛行ルートと高度設定を行いましょう。
災害地など凸凹と急な傾斜がある現場で撮影を行う注意点
ドローン空撮当日の注意事項
撮影飛行の前のデモ飛行として、高度を高めに飛ばしながら問題点がないことを確認しておきましょう。
- 撮影の時間帯や天候を考慮して撮影する
- 長い日陰が出る時間帯を避けた方がBEST *昼の時間帯や曇りの日が理想!
実際の撮影飛行中は、空中でのドローンと飛行ルートを表示しているモニターから目を離さず監視しましょう。
まれに予期せぬ方向へドローンが飛行してしまうこともあるためです。
自動操縦飛行設定が完璧だとしてもイレギュラーなトラブルも起こりえます。
自然には鳥なども生息していますので、配慮も必要ですね。
ドローン測量、ドローン空撮などご相談がありましたらご気軽にお問い合わせください。