要求精度をクリアするための相当数の対空標識の設置が大変で困っていませんか?
ここでは、要求精度をクリアできる対空標識を効率的にする設置方法についてまとめています。
一般的に測量とは、対象物のある場所が地球上のどの位置にあるのかを正確に知るために行われる作業のことです。
地球上の対象物がある場所の経度・緯度・標高では、測量をすることによって正確に求めるこができます。
ドローン測量とは、ドローンで撮影した空撮画像より3Dデーターを作成することを目的とした測量方法です。
ドローンで正確な位置を測量するためのUAVを用いた公共測量マニュアル(案)では、誤差が最小限になるような要求精度をクリアすることが設置基準で求められています。
標準の設置基準で行った対空標識を設置した場合、設置数が多くて業務効率化できていないのが現状ではないですか?
弊社では、UAVを用いた公共測量マニュアル(案)が示す指針の半分ほどの対空標識の設置でドローン測量を行っています。
この記事では、要求精度をクリアできる対空標識の設置方法で業務を効率化する方法が分かります。
対空標識とは
ドローン測量では上空から広範囲の空撮画像撮影を行うことになりますが、上空から正確な座標値を測量するために必要となるのが対空標識です。
対空標識はドローンで上空から見た時に、標定点や検証点の位置を写真上で確認できるための目印でもあります。
- 対空標識の模様は、次を標準とする。
- 対空標識の辺長又は円形の直径は、撮影する空中写真に 15 画素以上で写る大きさを標準とする。
- 対空標識の色は白黒を標準とし、状況により黄色や黒色とする。
- 対空標識の設置に当たっては、次に定める事項に留意する。
(1) あらかじめ土地の所有者又は管理者の許可を得る。
(2) UAV から明瞭に撮影できるよう上空視界を確保する。
(3) 設置する地点の状態が良好な地点を選ぶものとする。- 設置した対空標識は、撮影作業完了後、速やかに回収し原状を回復するものとする。
- 空中写真上で周辺地物との色調差が明瞭な構造物が測定できる場合は、その構造物を標定点 及び対空標識に代えることができる。
UAVを用いた公共測量マニュアル(案)対空標識の規格及び設置等
対空標識の設置方法で業務を効率化する
ドローン測量で撮影した空撮画像から、3次元データを作成する目的を確認します。
- 災害地の被害状況の把握:災害地の広さ・高さ・深さなどを調べる
- 施設などの建設計画:建設構想図の作成
- 道路などの都市計画:道路計画のシュミレーションや、計画図の作成
- 太陽光発電所の計画:山の斜面などでの、太陽光設備の配置図の作成
- 河川などの縦横断図作成:10m~20mピッチで断面図を作成する
これらデータには正確な座標精度(要求精度±5㎝)が求められます。
対空標識の設置方法とは
⇒UAVを用いた公共測量マニュアル(案)で記されている対空標識の設置基準では、のちに作成する3Dデータ(三次元点群データ)の精度が求められてきます。
ドローン測量において要求される位置精度は平面位置・高さともに0.05m以内になります。(目的によっては、0.1m以内、0.2m以内の精度の指針もあります)
第49条
作成する三次元点群の位置精度は、0.05m以内、0.10m以内又は0.20m以内のいず れかを標準とする。なおここでいう位置精度とは、作業範囲において観測した検証点の位置 座標と、この地点に相当する三次元点群が示す位置座標のX、Y、Zそれぞれの成分の較差の 許容範囲をいう。UAVを用いた公共測量マニュアル(案)(三次元点群の精度)
標準的な標定点・検証点の対空標識設置イメージ
(要旨)
第51条
1.標定点及び検証点の設置とは、三次元形状復元計算に必要となる水平位置及び標高の基準となる点(以下第3編において「標定点」という。 )及び三次元点群の検証を行う点(以 下「検証点」という。)を設置する作業をいう。
2.標定点及び検証点には対空標識を設置するUAVを用いた公共測量マニュアル(案)第3章 標定点及び検証点の設置
UAV を用いた公共測量マニュアル 標定点の配置より
- 外部標定点(測量範囲の外枠に置く標定点)=概ね辺長100m以内に1枚配置
- 内部標定点(測量範囲の内側に置く標定点)=概ね200m以内に1枚配置
- 内部検証点(測量範囲の内側に置く精度検証するための標定点)=0.04㎞あたり1点
対空標識の設置方法を効率化する
写真解析ソフトPix4D社によって実際に検証実験を行った結果では、測量範囲の角の4箇所と中心に1箇所の合計5箇所でも測量精度は十分に保たれた結果が出ています。
結果、対空標識を設置するのは、必要最小限の5箇所に設置すれば計測は可能になります。
RTKドローンで測量の精度を高める
ドローン測量で求められる大きなメリットは、作業効率化とコスト削減です。
ドローンは位置を測定するために衛星から受信を行うGPSを使用していますが、数メートルの誤差が生じるといわれています。
RTK(リアルタイム・キネマスティック)を活用すると、衛星および地上に設置した基準局からの電波も送受信する仕組みになっており、より精度が改善されるようになります。
GPSとRTKを活用し、数センチの誤差になるように高い精度の位置情報を取得することが可能となります。
「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」の指針と比べるとかなり少ない対空標識の設置数となりますが、もちろん業務効率化を考えると設置枚数は少なくした方がいいですよね。
弊社では、UAVを用いた公共測量マニュアル(案)が示す指針の半分ほどの対空標識の設置でドローン測量を行っています。
これまで測量コンサルト会社さまとの250回以上のドローン測量を行ってきましたが、実際に上記の条件でも要求精度は十分にクリアできています。但し、事前に発注者への説明を十分に行い、必ず理解を得てから少数の設置でドローン測量を行うことが大事です。
サンキプランでは、ドローン撮影による測量(写真・レーザー)、画像処理サービス(オルソ化・3D化・点群化)・撮影点検を提供しています。
ドローンを使用して業務効率化を行いたいなどのお悩みがありましたら、ぜひ、ご気軽にお問い合わせください。