測量分野でも国土交通省が進めるi-Constructionの導入はどんどん進んでいます。
生産性向上のための土木業界へのICT導入は、人手不足の問題解消にも大きな期待がされているドローンの活用です。
メリットも多いドローン測量ですが、課題もいくつかあります。
- 精度の確保
- 飛行時間
- 航空法の規制と許可
- データ処理と解析の複雑さ
- 障害物回避 など
ここではドローン測量の課題である精度の確保(高低差の激しい地表)についての、いくつかの注意点を解説しています。
ドローン測量とは
ドローン測量とは、ドローンのカメラやレーザーを使って地表の情報を取得する測量技術です。
このドローン測量の技術は、従来の測量方法に比べて、効率かつ高精度なデーターができます。
測量から設計・施工・検査、維持管理のすべてのプロセスでICTを導入するi-Constructionの取組みです。
「ICT」とは「Information and Communication Technology」の略称で日本語は「情報通信技術」という意味です。
このICTの全面的な活用(ICT土木)によって、工事の進歩状況の確認と工事記録として活用することができるなど生産性や労働力不足の課題を解決します。
ドローン測量の課題とは
精度の確保
ドローン測量では、測量の精度はとても重要ですが、地形の高低差や気象条件によって精度に影響を受けることがあります。
気象条件の変化や風、GPS信号の乱れ、地形の高低差などに大きくデータ取得に影響を与える可能性があります。
飛行時間
航空法の規制と許可
ドローンを飛行させる場合は、航空法の規則に従わなければいけません。
特に都市の人口集中地域や空港周辺などの制限区域では飛行が制限されるケースがあります。
また、その他の空域でも飛行許可が必要なケースがあります。
これらの規則や許可の取得には、ドローン測量を行う際には注意することが必要です。
データ処理と解析にはスキルが必要
障害物回避
ドローンは障害物との衝突を回避するようなセンサーはありますが、すべての飛行状況で完璧に回避できるわけではありません。
特に、複雑な地形や障害物が密集した周辺では、障害物の回避の精度が課題となっています。
ドローン測量の課題 高低差の激しい地表への対応
高低差が激しい地表ではなぜ精度が悪くなるのか
ドローン測量では、地表の特徴や地形の情報を計測するために行われます。
一般的に平坦な地形でないと、カメラやレーザーからのGPS信号や反射距離が一定でないため、位置情報の精度は低下する可能性があります。
その結果、測量データの正確性(精度)は悪くなってしまいます。
高低差が激しい地表の精度を高めるドローンの地形認識モードとは
ドローン地形認識モードとは、ドローンが搭載しているセンサーやソフトウェアを利用して、地表の特徴(高低差)を自動的に認識する機能です。
ドローンは周囲の地形や障害物を把握し、飛行中に適切な制御を行えることになります。
ドローン地形認識モードの特徴
- 障害物回避:ドローンには障害物との距離を測定するための距離センサーが搭載されています。センサーは前方、後方、下方などの方向の障害物回避し、安全な飛行ルートを選択しています。
- 地形追従:地形の高低差を認識し、ドローンの高度や姿勢制御を調整することで、地形に沿って自動的に追従飛行を行います。
地形認識モードないドローンではどう対応する?
地形認識モード機能がないドローンの場合、同じ対地高度別に自動飛行計画を行い、分割飛行で撮影を行います。
またそれぞれのデータ解析や分析も必要になります。
激しい地形の形状にもよりますが、同じ対地高度での撮影にはリスクあり衝突などの危険性も高くなります。
これらのドローン測量の課題には、飛行プランの最適化、適切なドローンの選定、適切な気候条件の判断、規則の順守など操縦トレーニングなどの技術的な対応がとても重要です。
ドローン自動精密飛行ソフトウェアUgCSについて
飛行計画の最適化
ドローンの飛行計画を最適化して、激しい地形に対応することは重要です。
弊社では、ドローンの自動飛行を行うときの精密操作と制御をサポートするための高度なソフトウェアプラットフォームであるUgCSを導入しています。
従来の飛行計画アプリでは、Googleマップの2D平面地図で飛行ルートを作成しているため、傾斜地などの飛行高度の設定が曖昧になってしまいます。そのため、樹木等の障害物との離隔距離が確認しにくく衝突による墜落のリスクが高くなります。
UgCSが利用できる標高モデルでは、Googleアースの3Dより事前撮影より作成する標高モデルを利用できるため、正確な飛行パラメータから精密なドローン測量が可能です。
ドローン測量、ドローン空撮、3Dモデル化などのご相談はご気軽にお問い合わせください。