
ドローンはプロポから発する電波によってコントロールされています。
電波は電磁波の分類のひとつとして扱われていますが、身近にはその他にもいろいろな電磁波が飛び交っています。
では、プロポからドローンへはどのように電波は伝わっているのでしょうか。
プロポから発せられた電波はドローンまで伝わっていく過程にある障害物によって、影響(反射・透過、回折、干渉など)を受け変化してしまいます。
プロポよりドローンの操縦電波と映像電波を安定して送受信するために、下記のことに注意すればある程度の電波干渉は回避できます。
電波干渉対策のポイント
- プロポのアンテナの向きを、常にドローン機体の方向へ向けながら操縦を行う。
- ドローン操縦者はできるだけ高い位置での操縦を行う。
- プロポの位置と機体の位置の角度は45度~60度を理想とする。
- アプリに表示される電波状況パラメーターで、電波干渉が強い傾向にある時は、 操縦位置を変更するか、その場所での飛行を中止する。
- ドローンの飛行範囲に、電波塔や高層の建物、樹木等が無いかを事前に確認を行っておく。
Table of Contents(目次)
電波の伝わり方の特徴
プロポから発信された電波は、ドローン機体までどのように伝わっているのか理解しましょう。
プロポから発せられた電波はドローンまで伝わっていく過程にある障害物によって、影響(反射・透過、回折、干渉など)を受け変化してしまいます。
直進
![]() | 電波が進む方向へ障害物がなければ、電波はまっすぐに進みます。 |
反射と透過
![]() | 金属板・コンクリート・地面・水面などの電気を通しやく、異なる2つの媒質の境界に電波が入射すると電波入射角と同じ角度で反射します。 また、電気が通りにくい媒質である、木・ガラス・プラスチック・紙などでは透過する特徴があります。 |
回折
![]() | 電波は裏側にも回り込みます。 回析は周波数が高くなるにつれて少なくなりますので、周波数が少なくなるほど回り込みます。 |
干渉
![]() | 同じ周波数の電波が2つ重なると、電波を強めあったり弱めあったりする性質があります。 |
プロポからドローンへの電波の伝わり方
一般的に障害物がない場合、電波の伝わり方は直進します。
しかし、これまでのドローン操縦経験の中で、障害物がない場合でも、プロポから真上や真下で飛行しているドローンへの電波は伝わりにくいと感じます。
プロポからドローンに届くまでに障害物や媒体がある場合には、反射・透過、回析、干渉などに電波は変化します。
プロポから送信された電波
- 直接ドローンへ受信されるものもあれば
- 地面や床などに反射してドローンへ届くもの
- 反射した電波がさらにコンクリートなどで反射して届く場合
などいろいろな方向からドローンへ届きます。
高所からのドローン操縦時 降下飛行の電波の伝わり方に注意!
プロポ操作でドローン真下へ降下飛行させるとき、プロポとドローンとの距離が20mしか離れていないのに電波の伝わり方が悪くなります。
この電波が届かない原因は
- ドローン本体の電波受信機(アンテナ)が通常はドローンの足の部分(スキッド)にあること
- プロポ送信機から真上と真下の範囲はフルネルゾーンに入ること
も原因と考えられます。
POINT
業務上(橋梁点検時など)必要でないようであれば、操縦者から見て真上や真下でのドローン飛行はしないようにするのが賢明です。
これらを回避する対策としては、プロポの位置(操縦者の位置)を機体に対しての角度を45度~60度にするといいですね。
目視外飛行での電波の伝わり方に注意!
操縦者との距離が遠くなるにつれて受信感度が悪くなっていきます。
プロポとドローン機体の間に家やビル・樹木などがどんどん増えていくと障害物が少しずつ増えていきます。
やはり障害物が多い場合に映像電波はよく途切れたりしますね。
POINT
目視外飛行を行っているときに電波の伝わり方が悪くなる場合の対策は、ドローンの高度を上昇させたり、操縦者が少しでも高い位置に移動すると電波が回復します。
座って操縦していたのを、立ち上がるだけでも電波の受信パラメーターが回復したりします。
プロポよりドローンの操縦電波と映像電波を安定して送受信するために、下記のことに注意すればある程度の電波障害は回避できますので参考にしてください。
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