
2メートル以上ある橋梁では、5年に1度の点検が義務付けられています。
ドローンによる橋梁点検は、従来の橋梁点検車を使って行うよりも効率的にできるため注目されています。
しかし、ドローン近接撮影の操縦テクニックという難易度が高いものが求められます。
ここでは、橋梁主桁部分撮影のポイントを紹介しています。
橋梁点検に必要なドローン近接撮影の操縦テクニックを身につけ効率的な点検を目指しましょう。
Table of Contents(目次)
ドローン橋梁点検を効率的に行う手順
ドローン橋梁点検を効率的に行うための手順です。
- 発注者と撮影箇所の打合せ
- 現地の橋梁を事前確認し、飛行計画の立案
- 橋梁点検に必要となる飛行申請許可等の取得
- 橋梁点検の撮影当日について(風の影響・近接撮影テクニック・撮影スケジュール計画・橋梁点検のポイント)
- 撮影データの確認と検証及び、データ整理
ドローン橋梁近接撮影を効率的に行うポイント
効率的な橋梁点検を行うためのポイントは、必ず事前に現地調査を行い、しっかり撮影計画を立案することです
詳細な飛行計画を立てましょう
橋梁点検では
- どの橋梁部位を
- どこの位置から操縦して
- どんな飛行ルートで撮影するかを
事前に必ず決めておくことが大切です。
また
- 撮影は写真で行うのか?
- 動画で行うのか?
撮影方法を点検依頼者と協議し、撮影計画を行います。
日陰の影響を考慮した撮影順序を決めます
橋梁は☀日中の時間帯によって日陰ができてしまいます。
日陰の部分の撮影を行った場合、橋梁表面が真っ暗の状態となり損傷などの異常状態を確認することができません。
事前にきちんと日陰の時間帯を確認しておきましょう。

前回の橋梁点検での指摘箇所の確認を忘れずに!
前回の橋梁点検で発見されている損傷個所は特に注意して撮影を行いましょう!
全体のスケジュールは余裕をもたせて、撮影予備日の設定も忘れずに行いましょう!
主桁(側面 4分の1)撮影の手順紹介
橋梁撮影を効率的に進めるため、先に橋梁全景や主塔の撮影を完了させて次の撮影(主桁➡支承部➡床板)に挑んでいく手順がおすすめです。
実際に主桁のドローン撮影では、主桁部分(側面)を4分の1ずつ行っていく撮影手順が安全です。
① ドローンを橋梁の中心の位置へ移動
ドローンを離陸させ、橋梁の中心の位置へドローンを移動させます。
あらかじめ橋梁の中心位置が分かりやすいように、歩道のポールに🎀リボンなどをくくり付けておくと、分かりやすいと思います。
② ドローンを主桁(橋梁側面)に向け水平にする
- ドローンを橋梁の中心位置まで移動させたら、ドローンを主桁(橋梁側面)に向け水平にします。
- カメラアングルを撮影部分へ角度の調整のために、ドローンを橋梁に近づけていきます。
- カメラアングルが決まったら、ゆっくり、ゆっくりとドローンを橋梁に沿わせて移動させながら撮影を行っていきます。
カニが横歩きしている感じです。
録画のスタートボタンの押し忘れが無いようにしてください。
押し忘れする人が多いので、気を付けてくださいね。
私も、たまにあります・・・
③ ドローンとモニターを見るリズムをつかむ
橋梁近接撮影時は、ドローンとモニターの見るリズムを決めましょう。
ドローン飛行中の操縦者の目線
- ドローンの目視確認 3秒
- モニター画面の映像確認 2秒
3・2・3・2・3・2・・・のペースがいいと思います。
個人差があると思いますので、自分に合ったドローン機体とモニター画面の目視確認リズムをつかんでくださいね。
また橋梁の形状によって異なりますが、形状がアーチ型の橋梁ではドローン飛行もアーチ状に少しづつ調整して操縦を行うことが重要です。
もしもドローンのコントロールができなかった場合、カメラアングルもずれてしまい撮影することができなくなりますので注意しましょう。
橋梁の形状に合わせたドローンのコントロール調整が、よい撮影を行うポイントになりますので、必ず意識しておきます。
ドローンとモニターのリズムをつかんで橋梁の中心から岸側までの間、ドローンをコントロールしながら撮影を行います。
④ 岸側ではドローンを次の高度に調整します
- 橋梁の中心から岸側まで撮影で移動したら、その位置でドローンの高度を少し下げましょう⤵
- ドローンカメラの角度は上に向けます。
- カメラの角度で歩道の裏側を撮影できるように角度を調整します。(phantomやMavicシリーズのカメラでは、30度程度、上に向けることができます)
- カメラ角度の準備ができたら、再び同じペースでゆっくりと橋梁の中心部まで戻りながら撮影します。
⑤ 中心位置へ戻ったドローンの高度をさらに下げます
- 岸側から中心位置へ戻ったドローンの高度を、さらに下げてください⤵
- ドローン高度を下げると床板の端の部分になりますので、岸側へとドローンを移動させながら撮影を行います。
- 岸側まで撮影を行いドローンを着陸させたら、橋梁主桁の4分の1の範囲が撮影終了になります。
橋梁主桁すべて(4か所)の撮影方法
主桁の撮影では、基本的に両岸を操縦位置として使用します。
操縦位置の事前の準備としては、離発着地点の草刈りなどを行っておいて下さい。
自分の身長以上の草が生えている現場もよくあるので操縦と離発着の為の快適スペースを確保しておきましょう。
【 橋梁撮影時の基本的な操縦位置と橋梁主桁撮影部位 】
橋梁部位 | ドローン操縦位置 | 橋梁主桁撮影部位 |
上流側主桁 | A:右側の岸 | 橋梁の中心から右側の岸まで |
B:左側の岸 | 橋梁の中心から左側の岸まで | |
下流側主桁 | C:右側の岸 | 橋梁の中心から右側の岸まで |
D:左側の岸 | 橋梁の中心から左側の岸まで |
橋梁主桁すべての撮影は上記の手順(①②③④⑤)で、4か所(ABCD)を効率よく行ってください。
また、日陰の影響を考慮しながら、撮影の順番は調整しましょう!
橋梁主桁撮影のポイント!
主桁撮影は橋梁を4分割する!
⭐主桁でのドローン撮影は、操縦位置を変えながら4分割で撮影することをおすすめします。
橋梁とドローンの距離感覚をモニター画面で正確に感じことはとても難しいものです。
ドローンを操縦する位置とドローンが飛行する距離を近づけることで、距離感覚がより確実に確かめられ安全に撮影することができます。
ドローンの撮影飛行速度は低速で!
⭐橋梁点検時に撮影する飛行速度は、時速2㎞程度をおすすめします。
- 点検後、画像の切り出し作業を行うとき、ドローンの移動スピードが速いと写真がボケで使用することができません。
- 橋梁点検では風の影響を受けやすく、ドローンの向きがよくずれることがあります。ドローン機体の向きを修正する必要があり、操縦を慌てずに行い易い点です。
- 橋梁点検の撮影漏れを防ぐためです。
- ドローン操縦者の心的負担を抑えます。
- 橋梁を撮影した映像での損傷確認(点検)を行いやすく、 第三者が見るときも見やすくなります。
車の運転と同じように、スピードを出さずに安全操縦での撮影を心掛けましょう!
私もたくさん橋梁の撮影をさせて頂きましたが、橋梁点検中に墜落をさせた経験もあります😂
墜落の原因は、怠慢さや自信過剰があったと思います😥
ドローンが墜落すると非常につらいものです。
ドローン墜落のリスクを減らすためには
- 事前の現場確認
- 飛行ルート計画
- 飛行許可承認申請
- 操縦のイメージトレーニング
- 操縦のリアルトレーニングが必要不可欠です。
スケジュールに余裕を持ってじっくり準備を行い、橋梁点検近接撮影をの効率化を目指しましょう!
ご 気 軽 に お 問 い 合 わ せ く だ さ い
ドローン全般、3次元データ作成、ドローン操縦代行およびパイロット育成に関することなど、まずはお気軽にお問い合わせください。
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