
煙突とは、燃焼の過程で排出されるガスが持つ上昇気流を風による外乱から守り、燃焼を促進させる筒状の構造物です。
煙突設備を安全に稼働させるには日頃の点検や補修が重要ですが、煙突を含むプラント設備の老朽化によるメンテナンスの負担増大が問題になっています。
ドローンの活用は煙突などの危険な現場での点検が可能となり、点検作業の安全性や効率化も向上します。
煙突設備点検は、強風・磁気干渉、高所設備の近接撮影ということで普段の測量や映像系とは全く異なる撮影になります。
今回この記事は、Drone 3D surveyingで実際に行ってきた外側の煙突設備点検の手順をご紹介していきます。
効率的な煙突設備点検を目指しましょう。
Table of Contents(目次)
ドローンによる煙突設備点検について
煙突は、高さ10m程度のものからプラント発電所などの200mを超えるものまでいろいろありますが、煙突の用途は燃焼装置の燃焼ガスを大気中に放出するためのものになります。
プラントとは
日本にあるプラントは、石油プラント・化学プラント・鋼鉄プラント・発電プラントなどいろいろな種類があり、各プラントでは工業活動に必要な資源を生産する大型の工場です。
プラントの設備保全
日本の多くのプラント設備は高度経済成長期に発展したため老朽化も進んでいます。
これらのプラント設備を安全に稼働させるためには、どの設備も効率のよい予防保全が必要となりますが、メンテナンスの負担の増大や保全従業員の高齢化が問題となってるのが現状です。
ドローンと煙突設備点検
煙突は常に燃焼ガスを大気中に放出し続けており、日頃からの点検や補修はとても重要な設備です。
煙突や鉄塔などの高所な場所は、人が容易に立ち入ることができない危険を伴う場所になっているため容易に点検へ行くことができません。
ドローンを活用することによって、危険で高所な場所での煙突外側撮影が可能になります。
(参考)Drone 3D surveying 煙突設備点検の手順
Drone 3D surveyingでは、これまでプラントや工場内にある、外側の煙突設備点検をドローンで実施させていただきました。
煙突点検ドローン実績
- 火力発電プラント内(煙突設備 80m以上×4本)
- 製紙工場内(煙突設備 50m×2本)
- 焼却場(煙突設備 30m×1本)
煙突設備点検の手順
① 設備管理担当者との煙突近接撮影の詳細な打合せ
はじめに煙突のを撮影する部位を確実に確認するために、煙突の構造図から詳しく撮影箇所にマーキングを行います。
② 現地確認と飛行プランの計画
プラントや工場内ある対象の煙突および周辺環境を確認を行ってください。
また、離発着場所を決め、 撮影ルートのイメージを描きます。
③ 航空法に必要な飛行禁止空域許可・承認の確認
改正航空法により、ドローンを人口集中地区で飛行させる場合や構造物との間隔が30m以上確保できない飛行の場合は、国土交通省の許可が必要となります。
また危険物を扱うプラントや工場内の飛行承認には、通常より許可が下りるのに時間がかかるケースもありますので余裕をもって事前確認を行います。
④ 煙突設備点検当日まで
対象の煙突をイメージしながら飛行訓練を繰り返しておきます。
煙突設備点検はリスクが高いドローン撮影になります。
煙突点検ドローンでの近接撮影危険リスク
ドローンを設備点検に活用する取り組みも進んでいるのですが、現実的にはドローンの墜落や衝突をどう防ぐことができるのかも課題だと考えます。
プラントでのドローン墜落は危険!
- プラントや工場内で墜落した場合、様々な設備での火災事故発生
- ドローンはリポバッテリーを搭載しているため、墜落の衝撃で発火する可能性がある
- プラントや工場内で働く作業員に墜落してしまう人身事故
コンパスキャリブレーションが一度でクリアできない!
ドローンは飛行前にコンパスキャリブレーションを行なわなければいけません。
プラント内では地面に鉄板を敷いてある場所が多く、鉄製の大きな建物付近や近くに大きな金属製のものがあると完了できません。
参考記事コンパスキャリブレーションとは?エラーが出た時の確認事項を解説
磁気干渉による操縦不能
煙突本体が鉄製のフレームで囲まれていることが多いため、ドローンの近接撮影時に磁気干渉を起こし操縦不能になり墜落する可能性もあります。
煙突の頭頂部からの風に注意!


煙突設備点検中の煙突は、点検5日前よりエンジン停止の状態になります。
しかし、煙突稼働時のように勢いのある燃料ガスが排出される空気の流れはありませんが、煙突近接撮影時にも煙突内から常に風が吹き上げています。
また、煙突の頭頂部付近では上空で吹く自然の強風にも注意しなければいけません。
煙突設備点検を安全に行う対策例
煙突設備点検は、強風・磁気干渉、高所設備の近接撮影ということで普段の測量や映像系とは全く異なる撮影になります。
- コンパスキャリブレーションが干渉なく完了できる
- 建物の高さを利用することで煙突頭頂部までの飛行距離を短縮できる
- 目視飛行が行いやすい
- 隣接しているほかの煙突から出ている煙の向きを確認することができ、風の強さや向きを推測できる
煙突近接撮影に限ったことではありませんが、安全に撮影目的を達成できるような操縦スキルと知識を向上させましょう。
また空撮業務では、安全に効率よく行えるように煙突設備現場の事前確認をしっかりと確実に行うことは重要なことです。
参考記事煙突点検ドローン!近接撮影が上手くなる練習のコツとポイントは?
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